2013年4月27日土曜日

インバウンドマーケティング-7.5 サーチエンジンの仕組みは知らない.



インバウンド・マーケティング〜見込み客を引き寄せ,永久顧客に対する次世代のマーケティング戦略〜

Googleのサーチエンジンのアルゴリズムについては,あまり専門ではないため,話をしない.以下のサイトから見てください.

Googleアルゴリズムの原理 SEO研究室


インバウンドマーケティング-8 ブログを広める.そして,計測


インバウンド・マーケティング〜見込み客を引き寄せ,永久顧客に対する次世代のマーケティング戦略〜

SEO対策として,ブログのページタイトルが一つとしてあげられる.
検索されたいキーワードをタイトルに含ませることで,ブログ記事は1ページごとにグーグルによってインデックス化され,検索対象になる.
魅力的なタイトルはそれだけで人を惹きつける.
逆に内容がよくても,タイトルが平凡であれば観客を逃す可能性がある.

タイトルには数字や知名度の高い会社や人名をいれることをおすすめする.これだけで人が見てくれたりするのである.

内容とタイトルがかけたら,最後は宣伝である.
ツイッターやフェイスブックを利用して宣伝するのは,言うまでもないことである.
それ以外に,手持ちのEメールのうち,興味を持ちそうな人にブログへのリンク付きのEメールを送ってみよう.
Eメールには以下の内容を書いておこう.
・メールを知り合いに転送してもらう
・ブログにコメントしてもらうこと
・利用しているソーシャルメディアに情報を投稿してもらうこと
・気に入ったらブログに登録してもらうこと

ただし,このやり方は本当に自信がある記事を書き上げた場合か,ブログを立ち上げた初期のみに限定したほうがいい.

そして,RSSを活用しよう.Google RSSはサービス停止する予定らしいので,別のいいRSSを探すことをおすすめする.

自分のブログと類似したブログに登録しておくことをおすすめする.
http://websitegrader.com/でグレードの高いブログに登録し,リンクを結ぶことで読者を得ることが可能になる.
他のブログに登録したのであれば,コメントも残していこう.

ブログを立ち上げた後,計測を忘れないこと.
最初はブログとEメールの時系列的な登録者数を測定し,次にブログへの訪問者数の推移と,ブログから発生したリードの数,そして最終的に顧客となったブログからの新規顧客の数を計測する.
それをグーグルやソーシャルメディアといった他のチャネルと比較する.
また,有料広告,展示会,テレマーケティングなどの従来のマーケティングのチャネルと比較してみよう.

そして,どの記事がもっとも閲覧されたかなどもチェックしておくべきである.こういったデータはブログで何を書けばいいのかについて,教えてくれる.

※SEO:サーチエンジンの検索結果で,自分のサイトが上位にくるように工夫すること.

インバウンドマーケティング-7 ブログを書こう


インバウンド・マーケティング〜見込み客を引き寄せ,永久顧客に対する次世代のマーケティング戦略〜

大量の突き抜けたコンテンツを作る優れた方法の一つにはブログがある.
ただ,ブログ・サービスの名前がURLに盛り込まれるということを避けるべきである.
会社の名前をURLに盛り込むべきである.

また,会社のブログ以外に業界のトピックに関するブログを開く事もいいが,人的な資源が限られている場合,少し考えた方がいい.

いずれにせよ,ブログをインバウンドマーケティングの一つのツールとして機能させるために,訪問者がコメントを残せる機能とRSSかメールを使って登録できるようにしておくべきである.

ブログが出来上がったあと,継続して見たくなるコンテンツを制作していこう.

人が集まるようにするためには,ブログに書くテーマを絞り込む事をおすすめする.
内容は,自社の業界における何らかの分野に特化するべきである.
不特定多数を相手にするのではなく,見たい人が見ればいいというスタンスでいい.

ただし,記事の長さは注意が必要である.
1ページ以上の長文にしないことだ.長いというだけで読む気が失せる人がいる.

書くべき事を1ページ以内で簡潔に絞り込んで書くべきである.
極端に言えば,あなたの業界に関連したことで,人々の関心を引くものならなんでもいい.
その中で動画を盛り込むと更に差別化がはかれる.ただし,動画の長さは2〜3分にすべきである.

一度始めたブログは継続させるべきである.これが肝心である.
ネタがなくなって,今日何を食べたといった内容を書かないように.それは決して突き抜けたコンテンツにはならない.

最後にブログの更新頻度について.
一般的には最低でも一週間に一回程度更新しよう.もし,少し大きな会社に勤務しているならば,ブログ執筆の分担をおすすめする.

インバウンドマーケティング-6 突き抜けるコンテンツを早く作る


インバウンド・マーケティング〜見込み客を引き寄せ,永久顧客に対する次世代のマーケティング戦略〜

例えば,突き抜けた商品を作ったとしてもそれを広めなければただのモノと化してしまう.

前回は突き抜けた商品を作るためにはどのように考えるべきかについて,紹介した.

それを広めるためにはウェブコンテンツを利用すべきである.

そして,このウェブコンテツも突き抜ける必要性がある.
ユニークで,顧客に無料のギフトを与えるようなウェブコンテツを作る必要がある.

突き抜けるウェブコンテツを作るためには,まず早く作る必要がある.
以下に,「早く作れる」例をいくつか紹介する.

・ブログ:業界について,1ページ程度の記事
・白書:市場関係者向けの業界トレンド,新製品情報などについての5〜7ページ程度の白書.ただし,白書はとくての製品に関して書いてはいけない.
・動画:業界についての2〜3分程度の動画.製品についての動画もいいが,簡単に伝播しない.
・ウェビナー:業界でのトピックに関するオンラインセミナー
・ポッドキャスト:ラジオ番組形式の,業界エキスパートへのインタビューなどの10分〜20分程度のプログラム.
・ウェブキャスト:オンラインでのライブビデオショーなど.

コンテンツは突き抜けており,透明性が高ければ結果的により多くのリンクを得ることができ,サーチエンジンの検索結果も高くなる.
より早く,より多く与えれば,その分の見返りが帰ってくるのである.


インバウンド・マーケティング〜見込み客を引き寄せ,永久顧客に対する次世代のマーケティング戦略

インバウンド・マーケティング

2013年4月22日月曜日

インバウンドマーケティング-5 突き抜ける商品の考え方

インバウンド・マーケティング〜見込み客を引き寄せ,永久顧客に対する次世代のマーケティング戦略〜

インバウンドマーケティングは様々なウェブサイト.ウェブコンテツを利用して,見込み客に見つけてもらうための手法と,インバウンドマーケティング-4で紹介した.

では,どうすれば見込み客がみつけてくれるのだろうか.

それは,突き抜けた戦略を展開することである.

突き抜けるとはどういうことか.
言い換えれば,「ユニークである」「注目に値する」ということになる.
(自分の考えとして,ここにもう一つ付け加えるとしたら,「他社と違う」というのがある)

インターネットを効果的につかうことで,より多くの見込み客へアプローチできるわけではあるが,それは全世界の競合他社に自分たちの情報を晒しているにも等しい.
ならば,徹底的に突き抜けることで,他社が追随できないようにすればいい.

そして,インターネットは突き抜けたモノを速いスピードで伝播させる.

突き抜けるために,2つの方法が考えられる.
一つは,見えないルールに縛られている市場の境界線を踏み越えて,代替のアイデアを発想する.

そして,もう一つは,既存の市場で「世界一」になること.

前者に関しては,本書籍ではブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する」を読むことをおすすめしています.
そして,個人的には「ビジネスで一番、大切なこと 消費者のこころを学ぶ授業」も一緒に読むことをお勧めします.

後者に関して,世界一を思い描けないとしたら,思い描けるようになる範囲まで境界線をどんどん小さくしていく.そして,縮小された範囲においての世界一を目指すべきである.

インバウンド・マーケティング〜見込み客を引き寄せ,永久顧客に対する次世代のマーケティング戦略
インバウンド・マーケティング
ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する (Harvard business school press)
ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する (Harvard business school press)

インバウンドマーケティング-4 ウェブによるハブ化

インバウンド・マーケティング〜見込み客を引き寄せ,永久顧客に対する次世代のマーケティング戦略〜

インバウンドマーケティングの具体的な話について紹介したいのだが,
まだ,先のことになりそうだ.

インバウンドマーケティングにおいて,下のようないくつかの考え方がある.
 1.ウェブサイトをハブ化させる.
 2.ウェブサイトをリニューアルして,デザインを変えるより,価値ある情報を更新しユーザ に提供する.
 3.グーグル,業界ブログ,ソーシャルメディアを大いに活用する.

1.に関して,簡単に説明したい.

ウェブサイトのハブ化とは,


               ウェブサイトをハブ化

上にある図をみて,イメージを掴んでほしい.
真ん中にあるひと際大きい点が自分(会社)のウェブサイトで,
その他の小さい点は自分と関係性あるが,自分(自社)と別の「コミュニティ(サイト)」だと思ってほしい.

そして,そのコミュニティでいつでも自分にアクセスできるようにする.
できるだけ,多くの他サイトとつながり,巨大なネットワークを作る.
これがハブ化するということである.
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※他のコミュニティから自分(会社)のウェブサイトにつなげるには,どうすればいいのか?
その具体策に関しては,以降にまた.
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インバウンドマーケティング-3 で言ったように,インバウンドマーケティングは様々なウェブコンテツを利用したマーケティング手法である.自分(会社)のウェブサイトに金をかけて作りこむより,他のものを利用したほうが費用がかからず済む.


インバウンドマーケティングの利点の一つとも言えるポイントだ.


インバウンド・マーケティング〜見込み客を引き寄せ,永久顧客に対する次世代のマーケティング戦略
インバウンド・マーケティング

インバウンドマーケティング-3 インバウンドマーケティングとは


インバウンド・マーケティング〜見込み客を引き寄せ,永久顧客に対する次世代のマーケティング戦略〜

インバウンドマーケティング
 1.「サーチエンジン」,「ブログ」,「ソーシャルメディア」といったウェブコンテンツを利用して自分(会社)をアピールし,人に自分たちを見つけてもらう方法.
 2.自分(会社)を見つけてくれた人を顧客にする方法. 

インバウンドマーケティングを大まかに捉えると,この2通りの意味になる.


従来のマーケティングでは,何がダメなのかについては「インバウンド・マーケティング〜見込み客を引き寄せ,永久顧客に対する次世代のマーケティング戦略〜」で紹介されている.
しかし,事例はあくまでアメリカに限定されているため,日本でも同じ事が言えるというわけではない.
だからといって,インバウンドマーケティングは日本で通用しないというわけではない.
インバウンドマーケティングは間違いなく,日本でも利用できるマーケティング手法である.

インバウンド・マーケティング〜見込み客を引き寄せ,永久顧客に対する次世代のマーケティング戦略
インバウンド・マーケティング

2013年4月18日木曜日

インバウンドマーケティング-2 暗黒時代からの脱出

インバウンド・マーケティング〜見込み客を引き寄せ,永久顧客に対する次世代のマーケティング戦略〜

[修正]
前回,これからインバウンドマーケティングについて話すと言ったが,どちらかというと,上記の本の内容に触れていくといったほうが正しい.

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現代,自分の求める商品や一緒にビジネスをする会社を探す方法が劇的に変換した.

物を買うときにまずウェブを使って物の値段を調べ,顔の知らない人とオンライン上で友達になり,同じ場所にいる必要なくチャットで話を行い,フェイスブックやツイッターなどで自分を世界にアピールする.
私達はますますインターネットを活用するようになってきている.

このような変化は宣伝広告のあり方と,私達の消費行動をも変えてきた.
これは一つコミュニケーション革命と言える.
この革命
私達は派手なテレビCMやチラシよりも,むしろ,ネットで急速に成長している優れたウェブコンテツに関心をよせるようになってきている.

そして,インバウンドマーケティングこそは,この革命の最前線に位置している.

インバウンドマーケティングとは,何百万人という人々が答えを求めて日々使っているサーチエンジン,フェイスブック,YOUTUBE,ツイッターというサイトにおいて消費者からいかに「見つけられるか」に尽きる.

インバウンドマーケティングを駆使することで私達は3つの暗黒から開放される.
(この表現は,厨二ぽくて,個人的には好き)

第一暗黒「マーケティングの暗黒」
 ウェブの世界では消費者に話しかけるネタを持っている人なら,財布の大きさに関係な  く,誰でも消費者に働きかける事ができる.「予算がないため,十分なマーケティングができない」という事象から開放される.

第二暗黒「人々の生活に強制介入しなければならない暗黒」
 大金をかけて作ったTVCMを制作してTV番組の間々に差し込んたり,駅やビールの壁に広 告を貼り付けて人々の関心を集めるのは古い.
 
 前向きな価値のある情報をウェブ上で公開し,それを欲しがる人にダイレクトに届ける  事のほうが圧倒的に効率が良い.消費者は,自らすすんでバーチャルの玄関に足を踏み入 れてくれる.今はそういう時代である.

第三暗黒「自社を知ってもらうためにはマスメディアに依存しなければならない暗黒」
 直接消費者に語りかける事ができる今,マスメディアに頼る必要性はない.消費者への語 りかけを上手に行えば,あなたが消費者を探すのではなく,消費者があなたを探してくれ る.

私たちは暗黒から開放され,面白い体験を得ることができる.
その体験をするためにまず従来のマーケティング手法を忘れよう.
4Pも4Cも忘れよう.
時間と創造性さえつぎ込めば,きっと誰でもインバウンドマーケティングを使うことができる.

次回から,本編に入れる.と思う.


インバウンド・マーケティング〜見込み客を引き寄せ,永久顧客に対する次世代のマーケティング戦略
インバウンド・マーケティング

インバウンドマーケティング-1 オバマの例

インバウンド・マーケティング〜見込み客を引き寄せ,永久顧客に対する次世代のマーケティング戦略〜

この本の話を始める前に,一つ話をしたいと思う.

バラク・オバマが2008年のアメリカ合衆国大統領選挙で当選したことをご存知だと思う.

2008年以前,高名で資金力豊富なヒラリー・クリントンにくらべ,バラク・オバマはほとんど名前の知られていないイリノイ州選出の1年生の上院議員に過ぎず,資金も限られたものだった.

では,なぜオバマは当選できたのだろうか.
その一つの要因となったのが,彼が展開したマーケティング戦略である.
選挙戦の初期,オバマはヒラリーが採用するであろうアウトバウンドマーケティング[1]を利用していたなら,2008年のアメリカ合衆国大統領選挙の結果は違っていたかもしれない.

限られた資金しかなかったオバマにとって,メールDM,テレマーケティング[2],テレビ・ラジオCMにおいて,到底勝ち目がない.

そこで,オバマは新しいマーケティング戦略で対抗した.

フェースブックの共同創業者でオバマのインターネット戦略担当を務めたクリス・ヒューズは,

「我々のオンラインキャンペーンの目的は,一人ひとりにバラク・オバマの価値と我々のキャンペーンそのものを理解させ,さらに.人々がキャンペーンへ直接参加することを可能な限り簡単にすることだった.
我々は『Eメール』,『テキスト・メッセージ』,『オンライン・ネットワーク』などを駆使して人々との直接的なチャンネルをできるだけ多く確率する努力をした.『MyBarakObama.com』や『フェイススブック』のような『ネットワーキング・テクノロジー』を使ってキャンペーンのメッセージを一気に伝播させようと試みたんだ」

この戦略は大成功した.
オバマのブログ,フェイスブックのページ,ツイッター,リンクトイン,ユーチューブなどを通じて直接オバマにつながるようになった.

その結果は,もうお分かりだと思う.

この選挙でオバマのマーケティング戦略に注目するポイントがいくつかある.

一つは,サーチエンジンを優れたイコライザーとして活用し,ライバルを蹴落とす場所として利用した事.

一つは,ソーシャルメディア,例えばツイッターを一方通行的な話をするためのツールとして使わなかったことである.


オバマが大統領選挙で取り組んだこのマーケティング戦略こそが,
インバウンド・マーケティングである.

次回から,インバウンドマーケティングについて,話をしていきたい.
できたら.

[補足]
オバマのライバルであったジョン・マケインのフェイスブックのフォロワーは61万に対し,オバマは300万人以上に増加させていた.
このことからも,オバマはいかにソーシャルメディアを利用していかがわかる.



[1]DM、テレマーケティング、テレビCMといった従来のマーケティング
[2]電話を使って顧客に直接販売すること
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0


インバウンド・マーケティング〜見込み客を引き寄せ,永久顧客に対する次世代のマーケティング戦略
インバウンド・マーケティング

2013年4月14日日曜日

下書きを投稿しますけど,何か?


とりあえず,書いたけど見直しもしてないし,文が通ってるかどうかも見てない.
そのうち直す.

「ビジネスで一番大切なこと〜消費者のこころを学ぶ授業」を読み終わった.

概要としては,「現在の企業や市場について批判を行った後,成功しているいくつかの例外的な企業とそのマーケティング手法やイノベーションを紹介し,そして最後にこれからの企業や市場はどのように進んでいくべきかを論じている.」
とても読みやすい文書で,わかりやすい.

本書籍は以下のような3章になっている.

1.私達が陥っている「競争」の正体
2.私達の目を奪うアイデアブランド
3.私達は人間らしさに立ち返る



1.について自分なりの例えでまとめてみた.長くなったけど.



1.私達が陥っている「競争」の正体
会社は他社を出し抜くために様々な製品をつくり,戦略を打ち立てる.しかし,それらは消費者から見れば特に大した差はない.そして,カテゴリが飽和していく.

まるでアフリカ大陸に生存するヌーの群れのようだ.
ヌーが草原を求めて,大移動を行う.
その大移動の中で激流の川を渡る時の映像を思い出してほしい.
カレらは慎重に,流れが緩やかで,川が浅く,幅が狭ないところを探す.
なぜかというと,カレらは泳げないからだ.
流されてしまうと,そこでおしまい.
さらに川にはカレらを狙うワニが生存している.

だから,カレらは慎重に観測し,渡る場所を選ぶ.
そして,地形などをみて,渡る場所を決める.

しかし,カレらはまだ飛び込まない.ならいつ渡るのだろうか.

映像を見たことある人ならわかると思う.
一頭のヌーが川に飛び込むとそれを真似して,2,3頭が飛び込む.
そして,その後を追うようにみんなが真似をして飛び込んでいく.

多くの動物の本能として,先頭にしたがってその後を追うという習性を持つ.ヌーもそうだ.

最初は1頭だけが川に飛び込んでいたか,気づけば群れをなして,お互いを押し合いながら川に飛び込んでいく.後戻りもできず,ただ前に進む.例えワニが前で待ち伏せしていても,彼岸が泥沼になっているとしても,ヌーは群れをなして渡っていく.

今の会社もこのような状態になっている.草原と言う名の「利益・市場」を目指して,移動を行う.その途中で川にぶつかれば,
一つの会社が川を渡り出すと,それを真似して他の会社も川に飛び込む.
厄介なのは,ヌーは先頭を真似して後ろに付いて行くだけだが,人が作る会社は先に飛び込んだ会社を抜こうとする.

しかし,激流の中多くの会社が先頭の真似をして同じところから飛び込んでいるため,先頭の会社に追いつくことは難しい.またそれをやろうとしているのは一つの会社ではなく,複数の会社がやる.
気づけば,ヌーのようにお互いを押し合いながら群れを形成して渡っている.足を滑らせた会社は激流に流され,さよならする.
ヌーの子供のようにまだ成長途中の会社がワニに狙われて食われてしまう.
しかし,それでも会社は群れをなして川渡りを行う.

なぜなら,ここが一番渡りやすい場所だから.
流される可能性が少なく,ワニはいるが100匹いるというわけではない.しかもワニが狙っているのは捕まえやすい成長途中のモノだ.だから,カレらは同じ場所から川に飛び込み,先頭を追い抜こうとする.
会社はヌーほど単純なモノではない.
だから,このヌーの大移動に参加しても,競争に勝つのは難しい.というよりも,ただの泥沼にハマるだけである.

そして,ヌーは大移動を終えれば,草という食事が待っているが,会社は大移動を終えて草原についたとしても,待っているのは顧客が自社の製品を買うかどうかである.利益はまだ手にはいらない.

何十万のヌーが目の前にいて,それぞれを区別できるのだろうか.
少なくとも,一般人にはできないと思う.
会社もそうだ.一般人である顧客にとってそれぞれの会社にどのような差があるのかわからない.
差別化を図ろうと,誰かが吠えれば,他の誰かも真似して吠える.
気づけば,みんなが吠え出す.
うるさいと感じた顧客が激オコぷんぷん丸になって,どっかにいってしまうかもしれない.
銃を持ちだして適当にヌーという名の会社を殺し始める可能性もある.

そういった泥沼のような状態に会社はいる.

だから,会社はこの泥沼から抜け出すべきである.
大移動に参加するのではなくもっと早く草原にたどり着くルートを探したり,草原にたどり着いてヌーからキリンに変身したり,顧客を見かけるととりあえず攻撃して気を引いてみるといった方法がある.

上でいった3つの方法は冗談ではなく,ヌーにはできないが,会社という組織ならできることである.

そして,本書籍は2.で上で書いている3つの方法の実際例「リバースブランド」,「ブレークアウェーブランド」,「ホスタイルブランド」を紹介している.

それについてはまたいつか.

ちなみに,本書は薄い.
もっと理解したいのであれば,書籍「ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する」と「キャズム」も読んでおくと,すごくいいと思う.



2013年4月6日土曜日

GAME-NICS (英語にしたら、かっけえ)

ゲームニクスとは何か~日本発、世界基準のものづくり法則~
http://www.amazon.co.jp/dp/434498045X

研究室の本棚を整理していたら、出てきた一冊。

200ページで、それなり薄い。目次は目に痛いが、内容は硬苦しくなく、自分にとって読みやすいものだった。

あまり、本の内容を詳しく書くつもりはないので、

以下に、本書籍の内容について簡単に触れる。



本作者は、任天堂で働いていたため、ゲームの事例はすべて任天堂のものになっている。
(そこはいいとして。)



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任天堂のゲームが今や日本が世界に誇るソフト産業になった理由には、

ゲーム作りで独自のゲーム開発ノウハウを構築してきたからである。

そのノウハウを体系的にまとめたのが、ゲームニクスである。

ゲームニクスは「説明書をよまずに使えて、熱中できるモノを作る技法」である。


ゲームニクスには2つの要素がある。

 1 理屈抜きで”直感的””本能的”に操作ができる。

 2 複雑な内容を段階的に理解し、思わず夢中になる。

そして、4つの原則がある。


 1 直感的なインターフェイス

 2 マニュアル不要の操作理解


 3 はまる演出と段階的な学習効果

 4 ゲームの外部化


(それぞれの詳しい説明は省く)

これらの原則と要素は様々な製品に言える。

Google、Amazon、Apple、これらの企業にもゲームニクスが存在している。

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といった内容である。

2つの要素と4つの原則については、同意する。

が、この本はやや偏りがある(任天堂は◯、ソニーは☓とか、それ以外もいろいろ)。

そして、ゲームニクスを正当化するために、成功例だけ挙げている。そういったところはあまり好きではない。

でも、

ゲーミフィケーションなどが浸透しつつある今、ゲームニクスという概念を知れたのは、一つの学習になったようにも感じる。